毎日コツコツ800字。

創作日記。記事作文。文章練習。のんびり書きます。

恥ずかしさと無力さ。

学生の時、一番苦手な科目は英語だった。中学でも高校でも、英語の授業は毎回気がめいってしまい、英文を見ることさえ苦痛であった。将来絶対に使わないだろうと思って勉強をしなかったけれど、やはり大人になった今も使っていないので安心している。

中学、高校と英語を避けていた僕だったが、意外にも小学生の時に英語教室に通っていたことがある。まったく続かずに辞めてしまい、それほど授業の内容も覚えていないけれど、唯一覚えているのが、外国人講師のアンナとの会話である。

ある日、早めに教室に着くと、そこには日本語の教科書を広げて勉強をしているアンナの姿があった。人見知りである僕としては、教室にアンナと二人きりになるのが落ち着かなかった。急に何か英語で話しかけられたり、抜き打ちで問題を出されるのが怖いこともあり、僕は挨拶もそこそこにアンナから微妙に離れた席に座った。

するとアンナは「コノ、ドウブツノナマエ、ニホンゴデ、ナンデスカ?」と言って、教科書の絵を指さして質問してきた。英語ではなかったものの、話しかけられたことに緊張してしまい、僕は焦りつつ、絵を見て「ヒツジです!」と答えた。アンナは教科書の絵に「ひつじ」と書き終えると、「アリガトウゴザイマス」と言って、会話は無事終了した。

けれどアンナの教科書の絵をもう一度見てみると、大変なことにそれは羊ではなく、ヤギの絵であることに気がついた。アンナに間違えたことを伝えたかったけれど、間違えた恥ずかしさと、英語への恐怖心から、結局ヒツジを訂正することができなかった。今思うと、僕が英語を苦痛に感じてしまうのは、当時のアンナとの会話を思い出して、恥ずかしさや無力さが蘇るからなのかもしれない。

もう一度アンナに出会えたら、ひと言「ごめんね」と伝えたい今日このごろである。f:id:kayamakokaku:20180215003333p:plain